舌下免疫療法とは?
毎年、花粉症の症状がひどくて、苦しい時期を過ごしている方々で、舌下免疫療法を受ける方が増えているそうです。
舌下免疫療法とはどのような治療法なのでしょうか?
あの苦しい花粉症の症状が緩和されるなら、受けてみたいと思いませんか?
免疫療法は、従来は皮下注射でしたが、舌下免疫療法として自宅でできる治療になりました。
幸い保険診療扱いになり、これからますます、治療の希望者は増えていくと思われます。
ただし、副作用もありますので、クリニックの医師とよく相談の上、治療に臨む必要があります。
舌下免疫療法とは?
舌下免疫療法とは、花粉症を唯一根本から治す可能性があると言われているアレルゲン免疫療法です。
アレルギーの原因となる抗原が入った薬を少量から投与し、体に慣れさせることでアレルギー症状を治療する方法です。
舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を含むエキスを舌の下に投与し、体内に吸収させます。
この投与を継続的に行うことで症状を軽減させていきます。
体験談
私は舌下免疫の治療をしています。スギ花粉のエキスを段々体に入れて増やす治療です。 今、すぐ効く治療ではありません。 私の場合、花粉症がひどくてこれをして緩和されました。 今は、舌下の液体の薬と鼻水が出る時だけアレグラを飲んでいます。 ほとんど花粉症の薬を飲む事はありません。 治療を始めて来年の春、花粉が出る頃、今までより花粉症が軽かったら効果が出たことになります。 3年続けないといけませが、治療してよかったと思っています。 |
長期にわたり正しく治療が行われると、アレルギー症状を緩和したり、症状を抑える効果が期待できます。
症状が完全に抑えられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬を減らすことができるんです。
舌下免疫療法が保険適用になりました
2014年にスギ花粉症に対する舌下免疫療法薬「シダトレンスギ花粉舌下液」が発売されました。
スギ花粉症に対する舌下免疫療法
スギ花粉の舌下免疫療法はスギ花粉症に対する治療であって、他のアレルギーの治療はできません。
12歳以上が治療の対象者になります。
- まず、採血(アレルギー検査)を行い、スギ花粉などの抗体価の測定を行います。
- エキスを舌下に滴下し、2分間そのままの状態を維持した後に飲み込みます。
- これを1日1回、少なくとも2~3年間続けます。
- 服用前後2時間は、激しい運動、入浴、アルコール摂取を控えます。
- 初めの2週間は少量から開始して少しずつ増やしていき、3週目からは同じ量を服用します。
舌下免疫療法を行なっていても、花粉症の症状がでたら適切にお薬を使ってください。
舌下免疫療法は3~5年行えば、治療を止めても効果が長く持続すると考えられています。
また、舌下免疫療法は4~5年行うことがすすめられています。
舌下法で誰でも根治するわけではありません。
舌下法で根治する例は20%弱と考えられています。
舌下法で少しの症状があったがとても良かったという人が30%前後、効いたと思うという人が30%前後で、全体の80%以上の人に有効でした。
舌下免疫療法の副作用
従来の皮下注射法と比較して、副作用の頻度や程度がかなり軽くなっていますが、アナフィラキシーが起こる可能性もゼロではありません。
なので、量を間違えずにスケジュール通りにきちんと行う必要があります。
まれに、アナフィラキシーとよばれる強いアレルギー反応を起こす可能性があります。
医薬品などに対する急性の過敏反応により、医薬品投与後多くの場合30分以内で、蕁麻疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)が起こります。 |
その他の副作用は、口の中や喉の腫れた感じ、かゆみ、涙目や鼻汁など、花粉症初期のような軽い症状、吐き気、頭痛などです。
1ヶ月くらい経過すると気にならなくなりますが、心配な場合は病院を受診しやすいように、午前中に服用することをおすすめします。
舌下免疫療法の通院頻度
30日分の処方が可能になり、月に1回の受診で治療が受けられます。
スギ花粉症の舌下免疫療法を開始できる時期は決められています。
1年目に効果を期待するには11月中旬までには開始したいです。
スギ花粉が飛散する時期は新たに治療を開始することができません。(1月~5月)
治療初日は副作用がないかを確認してから帰宅し、翌日から自宅で毎日服用します。
2週間後に診察を受け、問題がなければ1ヵ月分の薬が処方されます。
スギ花粉症舌下免疫療法 適合チェック
□ 症状がでるのはほとんど2~4月
□ 屋外で症状がでやすく、家の中での症状は少ない
□ 鼻だけでなく目にも症状がある
□ マスクやメガネを使うと症状が軽減する
舌下免疫療法を行う際の確認事項
- 最低2~3年間(推奨は3年以上)毎日施行できること。
- 1ヶ月に1回通院できること。
- 全員に効果がある治療ではないことを理解したうえで受ける必要がる。
- 効果があって終了しても、その後効果が減弱する可能性がある。
- アナフィラキシー等の副作用が起きる可能性があることを理解する。
アレルゲン免疫療法を適応できない方
- 妊娠中の方
- 喘息や気管支喘息の方
- 重症の口腔アレルギーの方
- 抜歯後などの口腔内の術後、傷や炎症などがある方
- ステロイドや抗がん剤、β阻害薬使用など特定の薬を使用されている方
適応年齢の上限はありませんが、高齢者の方は医師に相談して治療の可否を判断してもらうことが大切です。
舌下免疫療法の保険適用で費用はいくら?
「舌下免疫療法」は、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と確定診断された方(12歳以上)が治療を受けることができます。
舌下免疫の薬の価格は他の花粉症治療薬よりやや安い価格となりました。
ほかの治療や薬の処方がない場合には、医院での治療費と薬局での薬代と合わせて1ヵ月あたり2,000~2,500円程度の負担になります。(保険適応3割負担の場合)
1年を通じて治療をしますので毎月ほぼ同額の治療費となります。
また、治療開始前の検査や1年に1回程度の検査が必要で、5,000円程度の検査費負担がかかります。
目安として、年間3~4万円くらいです。
舌下免疫療法とは まとめ
こちらに舌下免疫療法の治療ができる病院について、詳しい記事を書いていますので参考にしてください。
舌下免疫療法の病院はこちら~東京・千葉・神奈川・埼玉・関東以外では…
舌下免疫療法は、うまくいけば花粉症を根治できる可能性がありますが、即効性のある治療法ではありません。
また、舌下免疫療法は100%誰にでも効果があるわけではありません。
効果が表れるのは、花粉症患者の80%程度といわれています。
それでも、重度の花粉症の方は舌下免疫療法を希望されます。
治療に根気がいりますが、症状が改善されるのを期待して舌下免疫療法に取り組まれてはいががでしょうか。