母は介護施設に入所していたのですが、ここ数ヶ月病気が重なり今の看護師さんがいらっしゃらない施設ではこれ以上はみれないと言われ、近日中に出る予定です。
そこで療養型病床をすすめられたのですが、状態が良くなれば退所になる可能性があると聞きました。
状態が良くなるとはどれくらいなのでしょうか。
もし療養型の施設に入れていただいたとしても、すぐに退所になったりするのでしょうか?
療養病床とは?
療養病床とは、主に慢性期の疾患で、長期にわたり療養を必要とする方々に、医療と介護を提供する介護療養型医療施設のことです。
急性期の治療が終わり、長期の療養が必要な場合に入居できる施設です。
介護施設のなかでも、医療ケアに重点が置かれているのが介護療養型医療施設(療養病床)です。
施設といっても、病院と変わらないので、医療的ケアは充実しています。
療養病床は医療区分がないと退所の話が出るかもしれません。
医療区分とは、例えば痰の吸引が1日8回以上とか、酸素3L以上とか、難病手帳を持っているとか、24時間の点滴をしている…などです。
しかし、よほどでなければ、「出てください」といわれる事はないでしょう。
療養病床の費用
療養病床は多くの介護施設と異なり、入所一時金が不要な点が特徴で、月々の利用料も比較的安く抑えられています。
療養病床 入院基本料 初期費用:0円 月額費用:9~17万円 |
療養病床では、病院で急性期の治療が終わったものの、寝たきりなどで、家に帰っての介護が難しい人が入所されます。
療養病床は病院なので、痰の吸引、胃ろう、酸素吸入、経鼻栄養といったケアは充実しています。
そのかわり、レクリエーションなどのサービスはほとんどありません。
介護保険制度の施設介護サービス計画に沿って行われる世話がこちらです。
- 入浴
- 排せつ
- 食事などの介護
- 日常生活上の世話
- 機能訓練
- 健康管理
- 療養上の世話
施設といっても、医療療養が目的なので、慢性的な病気があっても入居でき、一般的な病院と変わりません。
要介護1から入れますが、実際は要介護4~5の人が多く入所されています。
個室もありますが、4人部屋が中心です。
療養病床の特徴
◆ 介護保険で入居できる ◆ 対象は要介護1以上 ◆ 認知症に対応している ◆ 看取りに対応している ◆ 医師が常勤 ◆ 介護・看護職員の配置は3:1 ◆ 個室・多床室(相部屋)がある ◆ 全国どこでも申し込める ◆ 申し込みは直接施設へする |
療養病床 医療区分とは?
療養病床には、基本的に医療区分2・3(患者の医療必要度)に該当する人が入所になります。
なので、療養型病院は医療区分がないと退所の話が出る可能性はありますね。
しかし、終身の療養病床もあるそうです。
もし療養病床を探しておられるなら、病院事情に詳しいケースワーカーさんに色々相談されてみてください。
療養病床 医療区分 評価表
医療区分
医療区分3 | 【疾患・状態】 ・スモン ・医師及び看護師により、常時監視・管理を実施している状態 【医療処置】 ・24時間持続点滴 ・中心静脈栄養 ・人工呼吸器使用 ・ドレーン法 ・胸腹腔洗浄 ・発熱を伴う場合の気管切開、気管内挿管 ・感染隔離室における管理 ・酸素療法(酸素を必要とする状態かを毎月確認) |
---|---|
医療区分2 | 【疾患・状態】 ・筋ジストロフィー ・多発性硬化症 ・筋萎縮性側索硬化症 ・パーキンソン病関連疾患 その他の難病(スモンを除く) ・脊髄損傷(頸髄損傷) ・慢性閉塞性肺疾(COPD) ・疼痛コントロールが必要な悪性腫瘍 ・肺炎 ・尿路感染症 ・リハビリテーションが必要な疾患 発症してから30日以内・脱水かつ発熱を伴う状態 ・体内出血 ・頻回の嘔吐かつ発熱を伴う状態 ・褥瘡 ・末梢循環障害による下肢末端開放創 ・せん妄 ・うつ状態 ・暴行が毎日みられる状態(原因・治療方針を医師を含め検討) 【医療処置】 ・透析 ・発熱又は嘔吐を伴う場合の経腸栄養 ・喀痰吸引(1日8回以上) ・気管切開・気管内挿管のケア ・頻回の血糖検査 ・創傷(皮膚潰瘍 ・手術創 ・創傷処置) |
医療区分1 | 医療区分2・3に該当しない者 |
療 病床 廃止の理由について
介護療養型医療施設(療養病床)はゆくゆくは廃止になることが決まっています。
現在、療養病床は新設が認められていないので、施設数が減少しています。
療養病床は、老健や介護医療院への転換が決まっており、2024年までに廃止の予定です。
介護療養病床(介護型)・・・介護保険が適用 医療療養病床(医療型)・・・医療保険が適用 |
介護と医療の両面で十分な職員をそろえ、介護保険の各サービスを医療面で下支えする存在が介護型療養病床なのです。
(介護保険での介護療養病床を廃止してしまうことが決定されました。)
この二つの区分はむずかしいのですが、医療的な世話が多いと医療型になるケースもあります。
医学的には入院の必要がないけれど、家庭の事情で在宅での介護が難しくて、病院で生活している「社会的入院」が多いことが問題視されています。
そのため、厚生労働省は介護型の療養病床を廃止する方向で進めています。
療養病床廃止を見据えた受け皿作りが続いていましたが、なかなか進まないので療養病床の廃止期限を延長して、新たな受け皿として「介護医療院」が設けられました。
療養病床の今後
療養病床が廃止されて、介護医療院が新設されます。
介護医療院は重度療養の受け皿として、医療・介護を一体的に提供します。
介護医療院とは?
介護医療院とは、慢性期の医療と介護のニーズに対応するため、「長期療養のための医療」と「日常生活上の世話(介護)」を一体的に提供するものです。
医療を手厚くした介護保険施設ですね。
介護医療院は、一人当たりの床面積が現行の施設より広い「老健施設相当」(8㎡)で、入所者の疾患の重さによって2類型に分けられます。
(詳細な基準案は2017年度末に提示)
こちらは老人ホームの空きがわかる民間のサービスです。
まとめ
「施設」を希望されるなら、病院が経営する「介護施設」や「老健」ですと、空きがあれば入ることが出来るかもしれません。
しかし、狭き門で、入所待ちで溢れ返っていると思います。
入所待ちの間だけ療養型病院に入るという人も少なくありません。
移動を少なく、ゆっくりと・・・と言う希望があるとは思いますが、現実はそう簡単ではありません。
自宅に引き取る事、看ることが出来ないのであれば、こういう現実を直視して受け入れないと仕方がないのかもしれません。